1920年、上海。 不安定な情勢のただ中で、新聞を熱心に読み耽る学生・志恩（しおん）は、一人の女性に声をかけられる。彼女の名は淑良（しゅりょう）。軍人の妻として日々を送る彼女は、教養ある志恩に手紙の代筆を頼んだのだった。

彼氏いない歴＝年齢の正子がある夜帰宅すると、自宅の前に女性が立っていた。その女性は「あなたが不倫している男の妻よ！慰謝料きっちりもらうからね！」と怒鳴りつけてきて……。私が不倫？まったく身に覚えがなく動揺するが、その女性

最高気温が52度となったある街。主人公の庄野俊は、母親と一緒に街を出ようと計画していたが、謎の虫に襲撃され突然街全体がパニックに陥る。感情が高まった時、人間に寄生した虫が怪物に進化するため、俊は感情を殺し虫たちと戦ってゆ

ゲーム仲間で親友のボムに長年片想いをしていた「チョコ」。 親友のはずのチョコに、トランス女性であることをずっと伝えられずにいた「ボム」。 お互いの「告白」をきっかけに、ふたりの毎日が色づき始める。 恋愛初心者なオタク男子

娘が生まれて３度目の春、私はまだ産後うつ。 仕事復帰できない焦り、育児の正解が見当たらない不安、わが子をかわいいと思えない自分への怒り……「産後うつ」となった私が、苦しみもがきながらも光を見つけるまで。 《産後うつ》は1

ツトムはその日、何かから逃げるように車を走らせていた。 サービスエリアに車を止め嘔吐するツトム、その時、見知らぬ女性が水を差し出してきて…。 彼女に電話が使えるところまで送ってほしいと頼まれ、なにやら違和感を覚えながらも

ある日、犬養正義は会社の同僚に突き飛ばされて生死の境を彷徨っていたところ、奇妙かつ巨大な屋敷の「根ノ國家」にたどり着く。 「鼠」と呼ばれる人の穢れの集合体を狩ることを生業とする一族から鼠を生み出す根源として排除されそうに

兎ノ花町にある小さなお弁当屋「くまうさ」。美味しいごはんの匂いにつられて訪れる今日のお客さんは――？　

怪獣学者の本多昭（ほんだあきら）は、“トウキョウ”と呼ばれる超巨大怪獣の死骸の、 解剖調査現場に呼ばれる――。 全長およそ210メートル、推定体重8.5万トンの巨大な検体。 そんなトウキョウの調査資料に目を通しながら、昭

「『解剖』も『幽霊』も『密室』も、こちら側からの呼び方である。あちら側からはまるで違う呼び方が、それも想像を絶する呼び方があるはず。この本の作者はその呼び方を知っている気がした」榎本俊二（漫画家） 読み出したら止まらない

アパレル店員として働いていた十野紡希は、あるとき行われた研修で講師としてやってきた有馬祐介の考えかたに感銘を受け、 有馬のもとで、お客様のニーズにこたえて服を見立てる「パーソナルスタイリスト」として働くことを決意した。

５年前、何不自由ないが空っぽともいえる、そんな自分の人生を変えるために上京してきた降矢伊緒は、 友人に紹介され、ここ「猫目荘」で暮らすことになった。 「猫目荘」は古い建物だが、格安の家賃とふたりの男性大家が作るまかないが